山菜うどんやビビンバの具としてお馴染みのぜんまい。
コアなファンが多く、普段は温厚でも、ぜんまいの時期になると目の色を変えて山に入っていくおじいちゃんおばあちゃんもいるほど。
クセのある味と独特な食感のぜんまいは、ごま油で炒めてナムルにしたり、ほうれん草やにんじんと白和えにして頂きます。
そんなぜんまいは上級者向けの山菜。
湿り気のある林床や山の斜面といった収穫場所も難易度が少し高めですが、何より難しいのが見極めです。
旬である4〜6月には、よく似たシダ植物の若芽が沢山生えている上、ぜんまい自体のオスとメスの区別も必要。
食用となるメスは丸まった葉がわたで包まれていて、オスは黄緑色でふわふわの胞子が丸まっています。
オスは味も劣りますし、来年の繁殖のためにも残しておくのが良いでしょう。
また、ぜんまいの茎の色も注目ポイント。赤みがかった赤ぜんまいよりも、鮮やかな緑の青ぜんまいの方が上質とされています。
目が慣れてきて、青くて太くしなやかなぜんまいが自然と目に留まるようになってくると、いつの間にか夢中になってどんどん林の奥へ進んでいる自分に気がつきます。
カゴも既に一杯で、手間のかかる下処理のことを考えて少し後悔したりも。
後々の下処理を少しでも楽にするために、林の中で摘んだ瞬間に、ワタをとってその場に捨ててしまうのがおすすめ。このワタとりがまた楽しいのです。
茎の下の方から先端に向けてしごいてワタを取りますが、いかに先端の丸まった部分をちぎらずにワタを取れるかが腕の見せ所。
千切れることなくぷるんっと取れた時の快感はたまりません。
乾燥ぜんまいにしたい時は、下処理をして、さらに乾燥までさせられる天気と予定の日になるように考えて採りに行かなければなりませんが、そうやって育ててきたぜんまいを実食するときの感動はひとしおです。
見つけやすさ度
★★★☆☆
湿った野原や土手、山の斜面や谷際など、少し足場の悪いところに生えています。
見分けやすさ度
★★☆☆☆
似たようなシダ植物が沢山ある上、オスとメスの区別も必要です、ベテランに教わっても、初めての時はなかなか見分けられません。
下処理の手間
★★★★★
水煮にしても乾燥にしても、アク抜きが必要です。
味のクセ
★★★★☆
風味も食感も独特で、キュッキュとした歯応えに病みつきになるひとも。
収穫の楽しさ
★★★★★★★★★★
時期
4月中旬〜6月
秋田での呼ばれ方
ぜんまい
栄養価
不溶性食物繊維や葉酸が豊富で、整腸作用があります。