旅館のお膳に必ずといっていいほど登場するわらび。
ミネラル豊富な雪解け水をたっぷり土に蓄える秋田では、太く柔らかな美味しいわらびが楽しめます。
一般の家庭でも、大量に塩漬けを仕込み、冬でも食卓に並べるほど馴染み深い山菜です。
木々を伐採した場所に最初に進出する植物と言われているので、日当たりの良い草原や土手、山の斜面や林縁を探します。
採り初めの頃はシダ植物の若芽となかなか見分けがつきませんが、慣れてくるとその善し悪しまで選り好みするように。
秋田のおじさん方に言わせると、緑色のものよりも、黒っぽいわらびの方が質が良いんだとか。
一緒に山に入ると、黒くて、太くしなやかなわらびを見つけたおじさんのテンションが密かに急上昇しているのがわかります。
ぽきっと軽快な音を立てて折れるため、ついつい採りすぎてしまうほど収穫が手に心地よいわらび。
歯応えにもこれまた中毒性があって、粘り気のあるしゃくしゃくとした食感がたまりません。
醤油とマヨネーズ、鰹節で和えたわらびはいくらでも食べていられる最高に贅沢なおやつです。
カゴ一杯に採ったのに、いつの間にか食べ尽くしている、なんてこともしばしば。
そんなわらびですが、アク抜きをするのが少し手間。
手順は簡単ですが、少なくとも一晩はかかります。
収穫してすぐ実食!というわけにはいかず、焦らされますが、それでもやっぱり食べたくなってしまうのが憎めないところ。
気持ちがはやって、しっかりアク抜きせず、渋くて苦くてとても残念になってしまった思い出もあるので、美味しく頂くためだと思って毎回丁寧にアク抜きをします。
見つけやすさ度
★★★☆☆
日当たりの良い草原や土手、山の斜面や林縁にぽつぽつと生息します。
見分けやすさ度
★★☆☆☆
似たようなシダ植物が沢山ありますし、視界に捉えられるようになるまで少し時間がかかります。
下処理の手間
★★★★☆
アク抜きに一晩かかります。
味のクセ
★★☆☆☆
クセは強くなく、粘り気のある歯応えが特徴的です。
最高のおやつ度
★★★★★★★★★★
時期
4月下旬〜6月初旬
秋田での呼ばれ方
わらび
栄養価
ビタミンEを比較的多く含みます。