最高の露天風呂は雄大な自然の景色の中にあった。
去年、山で出会った登山ガイドさんから、自然のなかに温泉があると教えてもらった。秋田県北部にある焼山という場所らしい。
近くには玉川温泉や後生掛温泉がある。
今回は最高の登山と温泉体験に出かけることにした。
私が住んでる秋田市から秋田焼山の登山口まで車で2時間半。登山口は2つあるが、今回は後生掛温泉から登る。
秋田焼山は標高1,366m、高低差が少なく比較的優しい山だ。初心者でもまず登頂できる。
ツキノワグマの目撃が多いエリアなのでクマ対策は必須。
後生掛温泉の湯気をみながら快調に足を進める。季節は8月ということもあり、森の木々は青々していてとても元気が良い。
あっという間に頂上近くまで登ってしまった。
秋田焼山には最近整備された山小屋がある。
山小屋は休憩や悪天候時の避難場所として使える。
地元の登山ガイドさんが管理してくれており、とてもありがたい。
山小屋でお昼ご飯を済ませ、感謝の気持ちで綺麗に掃除をしてから出発。
最後の少しキツめの斜面を越えると、硫黄や白い岩が点在する開けた場所に出た。
ここが山頂だ。
秋田焼山の山頂付近は硫黄に囲まれていて独特なガスの匂いがする。
火口を覗くと大きな白濁の温泉。
一瞬ここが温泉?と思ったが、どうやらガスの濃度が高くて、留まるのは危険な場所らしい。
写真を撮って急いでここを離れた。
山頂を少し降るとようやくお目当ての露天風呂を発見。
川の水と湧き出る温泉が合流した場所で、ちょうど良い温度の温泉ができていた。
なんとスコップまで準備してある。
温泉が大好きな登山家たちが道具を整えているみたいだ。
自然の風呂なので時間が経つと泥や砂が溜まっていく。
入りやすいように穴を掘らなければならない。
ここは一緒に登った友人が張り切ってくれた。
人が座って入れるくらいまで掘ったら待望の入浴の時間。お湯の温度は40度くらいだろうか、山の中の野天風呂なのにかなり適温だった。
8月なので肩まで浸かると少し暑いのでとりあえず半身浴。
登山の疲れを感じながら温泉の岩場に腰掛けると、目の前には大自然の絶景が広がっている。
谷側には、夏の濃い緑色の葉をつけた森や草木、山側は硫黄たっぷりのカルデラ。文字通り360度を大自然に囲まれながらの最高の入浴だ。
たまに山を吹き抜ける風が心地よく、半身浴がちょうど良い。間違いなく今まで入った露天風呂の中で一番最高のロケーションだ。
山登りの疲れも一瞬で吹き飛んでしまった。