山登りって山頂を目指すだけじゃないんです。
例えば、お花。
山には高山植物と言う植物が生息していて、
季節ごとにいろんな植物が花を咲かせます。
普段、私たちが生活している街中では絶対に見られない、
色とりどりの可憐なお花、見に行きませんか?
登山ガイドの大川さんに秋田県の山で見られる高山植物のお花を教えてもらいました。
秋田の山にはたくさんのお花がありますが、
今回は高山植物初心者の方も見つけやすいおすすめのお花を12個ご紹介!
【登山ガイドさんのプロフィール】
登山ガイド:大川美紀さん
ほとんど毎日と言っていいくらい山に登っている美紀さん。
高山植物の知識が特に豊富で、いろいろな植物やお花について詳しく教えてくれます。
明るく元気な人柄と、楽しい山の説明が素敵なガイドさん。
女性や年配の登山客からリピートでガイドをお願いされることが多いそう。
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「日本山岳ガイド協会」認定登山ガイド(ステージⅠ)取得。
「北東北山岳ガイド協会」「森吉山ガイドクラブ」所属。
秋田県大館市在住。
「登山ガイドになる前、とても辛いことがあって、その時に友人に誘われて行った登山で、自然に囲まれて無心になれた。山に登ることでストレスから解放されて立ち直ることができた。今は、山に登るお手伝いをすることで、誰かが元気になるきっかけになったら良いなと思い、登山ガイドをしています。」
【紹介したいお花】
①コマクサ
「高山植物の女王」とも呼ばれているピンク色の小さな花。漢字では「駒草」と書き、駒は馬のことを指し、花の形が馬に似ているから名前がつけられた。山頂や稜線付近、気温が低く強風が吹きつける厳しい環境で花を咲かせる。
②タカネスミレ
東北地方の高山帯に生息し、黄色の小さな花を咲かせる。岩肌に覆われた場所に集まって咲くことが多い。秋田駒ヶ岳で見られるタカネスミレの群生は日本でも有数の高山植物スポットとして有名である。
③イワカガミ
日本固有の高山植物で、10~15cmほどの高さに鮮やかなピンク色の花を咲かせる。名前は、岩場に多く生息しており、鏡のように光を反射する葉をつけることにに由来している。日本全土に広く分布しており登山初心者にも見つけやすい。
④ミヤマダイコンソウ
岩場や礫地に生え、黄色い小さな花をつける。葉は比較的大きく、大きいものだと手の平くらいのサイズ。名前は、深山で発見されたことに由来し、大根の葉に似ているという意味がある。花言葉は、「幸せを招く花」。
⑤ヒナザクラ
東北の高山帯に生息するサクラソウの一種。他のサクラソウに比べて小さい白い花を咲かせるため、「ヒナ」という名前がついている。雪が溶けた後に順番に咲くため、比較的長い期間で可憐な白い花を見ることができる。
⑥ミヤマウスユキソウ
日本のエーデルワイスとして人気が高い花。小さい白い花を咲かせ、まるで雪が積もったように見える。東北地方の一部の高山にのみ生息しており、秋田駒ヶ岳でもそんなに数は多くない。注意して歩かないと見逃してしまう。
⑦ニッコウキスゲ
黄色とオレンジ色で、ラッパのような大きな花を咲かせる高山植物。日の出と共に花が開き、夕方になると萎んでしまう一日花。ピークの時期は群生したニッコウキスゲが黄色絨毯のように咲き誇る。
⑧ハクサンシャクナゲ
秋田県内の山で多く見られるシャクナゲの一種。名前は白山で発見されたことに由来している。緑色の葉をつけた人の背丈よりも低いくらいの木。枝の先にピンク色と白色の花が10個くらい纏まって咲く。
⑨チングルマ
本州中部以北の寒い地域に生息するバラ科の高山植物。直径2cmくらいの小さな白い花を咲かせる。6月下旬の駒ヶ岳では、一面に咲き誇るチングルマのお花畑が広がっている。秋には葉が赤色に染まり紅葉も楽しめる。
⑩エゾツツジ
日本では北海道と秋田、岩手の一部でしか生息していない貴重なツツジ。里のツツジとは違い、背丈は5~20cmほどしかない。花は3cmくらいだが、背丈が小さいため大きく見える。鮮やかなピンク色の花は遠くからでも存在感がある。
⑪ ムシトリスミレ
紫色と白色のグラデーションの花を咲かせる。名前の通りの食虫植物。栄養分が少ない高山帯で捕らえた昆虫の栄養分を吸収して育つ。葉の表面は虫を捕らえるために粘り気があり、虫が落ちないように葉の端は内側に巻いている。
⑫ベニバナイチゴ
日本で唯一赤い花を咲かせるイチゴ。夏になると赤い実がつき、ツキノワグマが好んで食べる。生食はできるが、渋みが強くてあまり美味しくない。